おはようございます!家庭科の授業では座学よりお裁縫が好きな夢宮ひめりです!
「炭水化物は脳の唯一のエネルギー源」
「炭水化物抜きは脳が委縮する」
糖質制限を始めようと情報を集めている中で、こんな言葉を見かけたら心配になってしまいますよね……。
でも大丈夫!
人間のエネルギー源は解糖系(糖質)とケトン体回路(脂質)の2種類で、むしろ糖質摂取による糖毒性があるから脂質をエネルギーとして使う方が脳にも体にも良いんです!!
糖質制限をし始めても赤血球は糖質しか使えないって聞いたけど……?
→哺乳類は自分で糖質を作れます
脂質ばかり摂ったらカロリーオーバーになっちゃうって!
→そもそもカロリーという言葉自体になんの意味もありません
強い言葉を使いますが、「1日3食お米はしっかり食べる分おかずの量を調整してカロリーコントロール」が健康だというのは幻想です。
家庭科の教科書に書いてある栄養バランスは信じないでください。食事バランスガイドを読んで、食事の6割を炭水化物にしないとと意気込まないでください。
現役の栄養士さんでも「”糖質が体に悪い”は誤解、カロリー制限でやせるべき」と平気で仰います。
(今までネットで読み漁ってきた記事で「摂取カロリーく消費カロリーにすればやせる」と書いてある投稿の筆者を見たときお医者さんや栄養士さん率が高くて何度絶望したことか……)
この記事では、”炭水化物を食べないと病気になるのでは”という不安からあなたを解き放ちます。
”カロリー制限をしないと太ってしまう”という恐れを払拭する記事はこちら→【カロリー制限で無気力に】長期的なカロリー制限は絶対ダメな理由
糖質と脂質とエネルギーについて
炭水化物を食べなくても生きていけるの?
人間の体がエネルギーを作る手段(エネルギー回路)は3種類。
その内2つは糖質が材料ですが、残りの1つ「ケトン体回路」は脂質を使います。
ひとつめは、解糖系というグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源にするサイクル。
糖質制限を意識していない限り、たいていの人は嫌気性代謝(酸素を使わない代謝)であるこの状態で生きています。
糖質制限食や食事を摂らないことによって体内のブドウ糖の量が減ると、肝臓で蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に変換し、体内で糖を生成するグリコーゲン分解という現象が起こります。
グリコーゲン分解ができなくなるとたんぱく質や脂質で糖質を作り始めます。
9割は肝臓、残りは腎臓などで体内の余分なたんぱく質やグリセロール(体内の脂質の1種)を分解して糖を作るのです。
これがアミノ酸を材料にしてブドウ糖を合成する糖新生。
糖質を摂らなくなった初期段階で起こるサイクルです。
糖質制限で起こる糖新生でもファスティングによる糖新生でも、筋肉は体脂肪率が4%にならないと分解されないので筋肉量の低下は心配ありません。
この時点ではまだ糖質をエネルギーとして使っています。
しかし、糖新生はすぐに(2日ほどで)限界が来ます。
糖が尽き、糖新生もできなくなるとようやく脂質をエネルギーとして使い始めます。
それがケトン体回路(ケトーシス)です。
脂質をエネルギーにしようとする過程で、ケトン体ができあがります。
この時点でようやく中性脂肪がエネルギーとして使われ始めます。
ケトン体回路によって糖質を必要としない体になるのです。
4日間低糖質な食生活orファスティングを続け、5日目から体のエネルギーが遊離脂肪酸とケトン体に切り替わることでケトン体を有意に使える状態になります。
※グリコーゲンはグルコースの結合体(複数くっついた状態)なので、分解されてグルコースになります
糖質0でも血糖値0にはならない
グリコーゲン分解と糖新生は、誰でも血糖値を維持するために食事と食事の間や睡眠中に日常的に行われています。
なぜなら、赤血球だけはブドウ糖しか使えないので、血糖値が0になってはいけないのからです。
「糖新生は飢餓状態で起こる体の緊急時システムだ」
とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日行われている安全な機能です。
ご飯を食べてから、糖質をエネルギー源にしているのは2~3時間。
1日3食でも、体内では6~8時間ほどしか糖質を使っていません。
そのため、食事から摂る糖質を0にしても体内で血糖値の調整をしてくれるので安全なんです。
糖質は2~3時間しか使えないのと、使われずに余った分すべてが体脂肪になってしまうこと(糖質は吸収率100%)
この2点が「糖質はエネルギー源にするのは効率が悪い」と言われるゆえんです。
糖新生というシステムがあるのは体がひんぱんな糖質摂取を想定していないからと思われます
△昔は誰でも糖質制限をしていた→〇赤ちゃんの頃は誰でもケトン体を利用していた
人類の長い歴史の中から農耕の時代はほんの少しで、人体は精製された白米や小麦で生きていくことを想定していない……。
「穀物を摂らなくて大丈夫なの?」という問いや不安には、こう答えている本やブログが多いです。
実際、それは正解です。農耕が始まったのは紀元前5000年頃、7000年前。何万年も続いている人類の歴史から見ると、とても短い間。
まだ庶民が食べられるようになって100年も経っていない精製された炭水化物やお菓子、ジュースなどはなおさらです。
それでも何千年もあれば人間も少しは糖質に適応した体になるんじゃないの?
確かに、本来肉食獣であったパンダさんは(現代ではまだ解明されていませんが)何らかの理由で1週間ほどでササを食べて生きるようになった草食獣に変貌を遂げたといわれています。
そんな例があるので、「人類の歴史において糖質を食べている期間が短いから糖質が体に悪い」というのは解答としては不適切かもしれません……。
しかし、現代人にもケトン体が有効なエネルギー源であるという事実があります。
それは、産まれたばかりや生後数ヵ月の赤ちゃんはケトン体濃度が基準値より20~30倍高い→赤ちゃんはケトン体回路で生きていることです!
この事実は宗田マタニティクリニックの院長、宗田哲男先生が発表しています。
大人も子どもも、糖質中心の食生活を続けることでいつの間にか糖質をエネルギーとして使っていただけ!
この話のポイントは、産まれてからしばらく経った赤ちゃんもケトン体を使っていることです。
母乳にはブドウ糖もでんぷんもない代わりに、約130種類ものオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖は、名前には糖とついても分解・消化・吸収もされない食物繊維と同じような存在。
つまり、母乳を飲んでいる赤ちゃんは断糖状態で生きています。
糖質摂取量0で数ヵ月生きているんですよ!
だから、脂質・たんぱく質を主食にしてケトン体をエネルギーにするのは生まれつきのサイクルに戻すだけのことです。
脳のエネルギーってブドウ糖だけじゃないの?
「脳はブドウ糖しか使えない」
実はこれ、正解ではありませんが間違いでもないんです。
脳は他の組織や器官では使える脂肪酸を通すことができない(=エネルギーとして使えない)ので、1日炭水化物を抜いただけだと体内の糖を脳に送ります。
炭水化物抜きの生活を続けても、脂肪酸(あぶらが体内で分解されたもの)を脳は使えません。
つまるところ、オリーブオイルやバター、ギ―などのあぶらを摂っても脳はそのままエネルギー源にはできないのです。
しかし、ケトン体は脂溶性ではなく水溶性なので脳もエネルギーとして使えます!
さて、ここでおさらいです。ケトン体は糖質を摂取しなくなると多く生成される物質でしたね?
糖質制限でのエネルギー源=ケトン体
となります。
エネルギー源をあぶらに切り替えるときはしっかり糖質制限をして、水溶性のケトン体を出してあげることが必要なのです!
また、MCTオイルという油を摂ると体内に糖質があってもケトン体を生み出しやすくしてくれます。
脂肪の燃焼もうながしてくれるので、糖質制限するかしないかに関わらず定期的な摂取がオススメです!
※例外的にオメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)だけは脳や末梢神経に脂肪酸を通さないようにする関所(脳はBBB、末梢神経はBNB)を通れます!
また、同じオメガ3脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)はBBBこそ通れないものの、細胞膜経由で直接脳に行き渡っています。
オメガ3の油は意識しないと中々摂取できないので、えごま油やアマニオイルを買ってかけたりお刺身を食べたりで積極的に摂取しましょう!
日清オイリオさんの製品だとアマニオイルの5割がα‐リノレン酸(オメガ3脂肪酸)で構成されているのに対し、えごま油は6割がα‐リノレン酸なのでえごま油の方がオススメです♪
「炭水化物を食べないとは脳が委縮する」は根拠すらない
「炭水化物を食べないと脳が委縮する」。
ひめりが読んできた本では取り扱われたことがないテーマでしたので、ネットで情報を集めることに。
「糖質制限 脳委縮」というワードで調べてみました。
しかし、「炭水化物を食べないことで脳が委縮するかどうか」がテーマである記事は見つかりませんでした。
糖質制限と脳の萎縮について調べている研究もありません。
1番糖質摂取と関係がありそうだったのは、低血糖発作が起こる回数が多い方ほど脳が委縮しているという記事。
低血糖は、脳萎縮の進行と関連!? | 糖質トピックス|糖質に関する総合情報サイト 〔糖質.jp〕 (toushitsu.jp)
炭水化物を食べないことと脳の委縮が関係しているかどうかの賛成意見や反対意見はおろか、糖質制限と脳の萎縮の関連性について説明されている記事もないのです。
健康本でも取り上げられないですし、玉石混交なインターネットでもそう言われる理由すら出てこないので、「糖質制限で脳が委縮する」はもはや迷信といっても過言ではないです
「必須糖質」がない理由
「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」
あなたは、こんな言葉を聞いたことがありませんか?
アミノ酸とはたんぱく質、脂肪酸とは脂質のこと。
体内で生成できないため食事で補給しなければいけないたんぱく質、脂質のことです。
ここでは詳しい説明は省きますが、動物性たんぱく質を食べ、オメガ3の油(えごま油やアマニオイル)を摂取していれば大まか大丈夫です。
では、「必須糖質」という言葉に覚えはありますか?
……ごめんなさい、存在しません。
先ほどご説明した体内の”余分な”たんぱく質から糖質を作る作用である糖新生があるので、糖質を食べなくても生きていけるゆえです。
人体の構成で糖質は1%なのに対し、たんぱく質と脂質が占める割合は共に2割ほど。
赤血球など糖質のみをエネルギーとして使える細胞に供給するための糖質も糖新生でまかなえます。
先ほどは糖新生もできなくなるとついに脂質がエネルギー源になるという言い方をしましたが、本来は脂質をエネルギーにして、体脂肪率が4%以下という生命の危機が迫る非常時のみに筋肉(たんぱく質)を分解するシステムにできています。
人間は脂質とたんぱく質をいっぱい摂るべきで、糖質摂取は脳にも体にも必要ないのです。
※1.お肉に含まれる飽和脂肪酸は必須脂肪酸ではありませんが、アミノ酸スコアが100でたんぱく質が充分に摂れる食材です。
飽和脂肪酸は悪玉コレステロールの原因になる、血液の粘性を高く(ドロドロに)するなどの言葉の根拠はなく、最近は逆説が主流なので安心してください。
飽和脂肪酸は体に良いのか悪いのか ?→天然のものなら問題ない
体脂肪の材料はあぶら……と糖質!?
体脂肪の材料は糖質+脂質。
この2つがそろわないと、体脂肪の合成は起きないのですね。
じゃあ脂質をカットして糖質を食べれば良いじゃん?
しかし、残念なことに脂質は体の大切な材料です。
食事であぶらをカットしても体内にあるため、糖質を食べたら食事でのあぶらの摂取の有無関係なく脂肪になります。
一方で脂質単体なら脂肪として体にはつきません。
また、この記事をお読みくださったあなたなら糖質より脂質を選ぶべきであることをご理解いただけているはずです。
地球最初の哺乳類、アデロバシレウスは肉食
!昆虫苦手な方は注意!
このトピックを終えた後はまとめだけので、写真や画像はないですが虫さんが苦手な方は戻るボタン推奨です……!
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地球最初の哺乳類、北アメリカに生息していたアデロバシレウスは夜行性の肉食だったといいます。
主食は昆虫でした。野生の厳しい環境の中でも、糖質は摂取していなかったのです。
繰り返しになりますが、食事でブドウ糖を摂らなくても糖新生で生成できます。
いつごはんにありつけるか分からない自然の中で生きていくためには、糖を自分で補給するのが必要不可欠だったのでしょう。
現代でも生き物や世界に優しくたんぱく質を摂れるということで昆虫食という文化がありますが、昔から昆虫は動物にとって良質なたんぱく質源だったのですね……。
まとめ
☆糖質は体内で生成できるので食事から摂る必要はない
☆産まれた頃は誰でもケトン体をエネルギーとしていた、赤ちゃんは何週間も断糖をしている
あなたも赤ちゃんの頃は糖質制限してたんですから、原点回帰で健やかな体になりましょう♡
Have a nice day♡
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